「社長、いかがです?時候もええことやし、今度の土曜か日曜、久しぶりにコースごいっしょさせて頂けませんか?」
「いやあ、わしもゴルフ好きやしね、行きたいのは山々やけどな、うちのカアちゃんがな『休みのたんびにゴルフ、ゴルフていいわね、たまにはわたしも有馬か白浜でのんびりしたいわ』と、こう嫌味をかましよるねん。悪いけどまたにしようや」
と、苦笑とともに言われて、ああそうですか残念ですね、と聞き流す営業マンは無能だ。
社長は言外に「温泉でも連れて行って女房孝行したいんや、なんとかならんか」と謎をかけていることに気づくこと、要するに「忖度」というのはこういうことである。
「肚芸」とも言える。あるいは「阿吽の呼吸」か。空気を読み取ることよりもっとタフな目抜き力と気配り力を要求される。
れいの籠原のおっちゃんが、海外プレス相手にした記者会見した際、この「忖度」という言葉を口にしたのだが、通訳はこれを「言葉と言葉の間を読みとる」ような意味合いで英語に訳していた。ま、おそらく海外の記者には理解不能だろう。
英語は「理」の言語、日本語は「情」の言語だ。「俺の目を見ろ、なんにも言うな」である。肚のうちを探って言葉に出さずして互いに分かりあえることに努力しないと、この日本ではやっていけないよ、移民や海外からの単身赴任者、あるいは留学生諸君は。
学生の頃、英作文の授業で思ったのは「逐語的かつ説明的具体的に訳さないといけないなんて、なんて英語はまどろこっしいんだ。『曖昧』のよさを理解できないとは。英米人って相当アホなんや」と。
だから「忖度」という、ある意味高度な心理操作など外国人には無理だと威張ってはみたもの、まあ日本の常識は世界の非常識とも言えないことはないが。
中央にしろ地方にしろお役人の世界はとかく出世志向主義者の巣窟のようなもので、たえず上司の肚のうちを忖度し、同時に我が身の保身に汲々としている世界、総理大臣といえば政官両方から見てこれ以上はない「上司」である。
その嫁が国有地取得認可の件で関係官庁に問い合わせた時点で、それは総理という上司の肚とみられる。これを「忖度」して上司の気に入るように動く(そもそも官民ともに宮仕えの身ならこれが出来なきゃな)のは当たり前であり、総理と嫁がいくら圧力はかけていないと言い張ってもそれは通らない。籠原のオヤジが言ったことは至極当然のことと納得できる。
imagesいささか品のない言葉で言わせてもらえばこの嫁は明らかに「さげまん」女である。夫婦共働き、仕事でもパートナーの関係ならいざ知らず、夫の仕事の領域にかくも具体的にしゃしゃりで出てくる女にロクな女はいない。
と言ったところで女性差別でもなんでもない。事実である。社長夫人の出しゃばりに泣かされている会社員ならよくわかるはず。
嫁はんが出しゃばったおかげで婿はんの首相は言い訳弁解詭弁屁理屈を並べ立て防戦一方である。
野党もひとつ覚えのように「口きき口きき」と攻めているが、与野党の地方自治体国会議員問わずツテがあれば、なぜか認可が下りやすく、なせか生活保護申請もすんなり通り、なせか交通違反切符が取り消しとなり、他にもあるが道理が引っ込み無理が通るケースがいっぱいあるのはなんでかな~と嗤ってしまう。
議員センセ方は口ききで選挙資金の元を取る。これって日本の常識で、しかし世界の非常識かな。よーわからん。