晴れ。朝晩の寒さがやや緩和されている。
秋と春は夕暮れの色が濃い。昨日より太った月が手を伸ばし夜の帳を下ろそうとしているその横で金星が早くも煌めきだしている。
煌めく星もあれば、墜つる巨星もある。
日本の音楽シーンに多大な影響を与えたかまやつひろしという巨星。
いわずとしれた元スパイダースの音楽リーダー的な存在で、60年代後半のGS黄金期を牽引した。
他のGSほとんど、タイガースやテンプターズを筆頭に音楽性そのものよりアイドル性が重視されていたのだが、スパイダースは違い、いち早くおもに英国ロックのエッセンスを核にレベルの高い楽曲をものしていた。その要石みたいな人だったのだ。
スパイダースの楽曲を聞いていると例えば「あの時君は若かった」の間奏部分でトレモロ奏法のギターが入ってくるが「あ、これはビートルズの『バック・イン・ザ・USSR』にインスパイアされたな」とニヤリとし、「ノー・ノー・ボーイ」の出だしのメロディなんかは同じくビートルズの「『チケット・トゥ・ライド』のサビメロやんか」とこれまた苦笑いしたくなる。「サマー・ガール」なんて、まあこれはアメリカのバンドだけどビーチボーイズのハロディだ、と洋楽好きにはたまらない「遊び」を入れてくれたものだ。
かまやつ作曲のオリジナル「バン・バン・バン」のリズムとギターリフなんか当時の日本では先進的過ぎてセンス抜群だなと。当時のロック小僧予備軍の小学生が生意気にもほざいていたものである。
ちなみにユーミンの才能をいち早く見いだしたのもこの人。天才は天才を知る。
あのロン毛にニット帽、年をとってもスレンディな体つきはブーツとデニムがむちゃくちゃ似合っているかっこいいおじいちゃんそのもので、どうせ年取るならあんなかっこいいじいちゃんになりたいと思っている。
この人のこの歌が好きだ。あんまり流行らなかったけど。合掌。