日替わりで寒暖を繰り返している。気温はジェットコースター状態で上がり下がりのここ数日。
春への歩み寄りのピッチが上がったわけで喜ばしいことだが、寒いものは寒い。
晴れたり曇ったりの中、昼過ぎに女友達の家に遊びに行く。
indexかねてから、今や伝説のサブカル漫画誌となった『ガロ』に彼女が応募して落とされたという漫画の下書きを拝見したかったということで。
ケント紙とまではいかないが、それに近い漫画専用紙にロッドリング1本で描かれたそれはたしかに巧い。
鉛筆でささっとアウトラインだけ描かれたものでも、私らなんか足下にも及ばないという言い方すらおこがましいほどたいしたものだと思った。
彼女の仕事がデザイナーであるのは伊達ではない。プロのデザイナーの画力の底力を思い知らされたという次第。さすがに餅は餅屋だけはある。
後は、家に来る途中、彼女と立ち寄った駅前のスーパーで購ったペットボトルの安赤ワインを呑みながら、テーマはさまさまなジャンルでの談論風発のひととき。
時には議論めいたものとなり、激昂のあまり互いの胸ぐらをつかみ合いの成りゆきに至りそうになるのだが、彼女の空手の練習台になりたくないので私の方から矛を収める。
彼女と知的スリリングに満ちた時の流れ早く、気がつけば彼女と私、それぞれが1.8リットル入りのワインボトルを空けてしまっていた。
安物でもワインはやはり優しい酒だ。日本酒と同じく醸造酒なので悪酔いが懸念されたが、さほど足もふらつかず意識もしっかりし、「大丈夫やで」というのに「あんたはジイさんのエリアに片足を入れているから」と、いらん一言をつけくわえて駅まで送ってくれた彼女と歩く坂道から、無数の夜間照明のライトを浴びた製鉄会社の工場群が薄暮の中で蜃気楼のように浮かび上がって見えたのが、まあ酔いといえば酔いだろうか。