晴れ時々曇り。朝からの冷え込みのきついこと。
エアコンの設定温度を27℃にしてところで、手指のかじかみがなくなり背中がやや温かい程度。築ウン十年の安マンションは古い分だけ隙間も多い。
お金があれば神戸なら三宮あたりの高級タワーマンション、あるいは灘区東灘区その隣の芦屋の山手のマンションに移り住みたいが、サマーや年末ジャンボ宝くじが当たらない限り夢の夢。IMG_0026
という前ふりを書いたのは、昨夕その山の手の高級住宅街のマンションに住む人を訪ねて友人と出向いたのである。
日没後のこととて街の面貌ははっきりわからないとはいえ、居並ぶ戸建てはいかにもお金持ち住んでます泥棒に入ったら大型犬吠えますセコムALSOK飛んで来ますと言いたげに黒いシルエットをまだ遠い春の闇の中で浮かび上がらせている。
マンションも高級住宅地にありがちな景観規制のためか知らないが軒高は低め。その分というのか、一室一室間取りが大きそうでほとんどのエントランスはオートロックとなっている。居住者がロックを解除して入るその背中に「くっつき虫さんダヨ!許してね」とおどけながらペタッと引っ付いて入り込むしか正面からの侵入方法はない。
人に道を尋ねながらやっと行き当てたマンション。そのエントランスはオートロックではないが、たっぷりとスペースを取っている。しかもエントランスの窓越しに見えるパーキング。おおあれはジャグアーではないかい、その隣はうわ!ランボルギーニ。豪儀なもんだな、あそこにはシトロエンとは渋いねえ粋だねえ、そこへいくってえとうちのマンションなんぞはええとタントだろ、カローラにオフロード、ステップワゴンだったかな、それら国産車オーナーには失礼だがやっぱり見劣りするねえ、しっかりしろいもっと稼がんかい、とクルマどころか免許もない私がエラソーに何を言うか!
マンションの一室から出てきた女子というより女史とは先週も呑んだ。今週は連れもってやってきた友人と合わせて都合3人、最寄りの駅前の焼き鳥屋へと消えていった次第である。
帰宅したのは日付が変わってから。先程まで二日酔いの頭を抱えて唸っていた。えいや!と跳ね起きてキーボードで心に移り行くよしなしごとをこうして綴っていくうち、幾分か脳細胞が活気づいてきた。
脳細胞といえば灰色の脳細胞名探偵ポワロ、そういえば件の焼き鳥屋でクリスティの「アクロイド殺人事件」についてああだこうだと論じていたのを今思い出した。
典型的な「先にやったもの勝ち」トリックであまりにも有名な作品。誰でも思いつきそうなトリックと言えないことはないが、伏線も含めたコンテクストを巧妙に構築しておかないとアンフェアと謗りを受ける羽目になる。
カーとともにクリスティもこよなく愛しリスペクトしていた横溝正史がある作品でこのトリックに挑んだが、角川文庫のその作品を3分の1ほど読んだところで「ああ、これはあれやな~」と得意気に見破った生意気盛りの高校生が42年前にいた。
その高校生は「俺ってもしかして天才かもわからんなあ。測ったことないけどIQ200はあるんとちゃうか」と本気で思っていたらしい。生きているとしたらどこでどうしていることやら、どうせたいしたおっさんにはなっていないだろうな。