矢継ぎ早に、先手必勝とばかりに無理筋無茶筋もいい大統領令に署名、発令しているトランプ新大統領。
彼の知性品性人格のほどはとりあえず脇において、まさにやり手のビジネスマンからいきなり政治家的には世界最高の地位といっていい席についたというイメージにあふれている。
熟慮もいいが、やはり即断即決がビジネスシーンで大きなアドバンテージとなることを知りすぎた男のやり方である。
あまりにもえげつないという向きもあるが、いや、あるがではなく世界じゅうからそう見られているのだが、リーダーにとって大切なのは「やるか」「やらないか」「イエス」か「ノー」かのどちらかなのだ。
上に立つ者があれこれ逡巡していてはついて行きたい人間も頼りなささに態度を留保したくなる。
そういう意味では、彼を支持する側からみればまことに頼もしいリーダー像を見事に自己演出している。
それはともかく彼が大統領令文書にサインするたびに映し出される、記名に使うペンが気になって仕方なかった。netインクフローがよく、さほどの筆圧もかけずともすらすらと快適に書けそうなあの黒いペン。あれいいなあ、と変なところに目が行ってしまう。
ペンのボディがなんとなくクロス社製ぽいと思って、調べてみたらやはりそうで、ペン先はボールペンではなくポーラス芯のリフィルを使用しているようだ。
日本で言うなら文字通り「サインペン」という商品名で売られている、ぺんてるのあの製品と同じタイプの水性のものである。
ぺんてるのは100円くらいで売られているが、大統領のそれはボディが1~2万、リフィルは1000円弱。やはり高い。当たり前か。(ぺんてるのサインペンの名誉のためにいっておくが、こんな安価でこんな素晴らしい書き味の筆記具はめったにない。日本が世界に誇るペンのひとつだ)
しかし、大統領に近いのなら私も持っている。このプラチナ製の「ソフトペン」。IMG_20170131_095216同社の万年筆用インクカートリッジと、フェルトのペン先(これも補充品が売られている)をセットすれば、筆ペンよりも細くそれでいて紙を滑る様はまさに筆のような軽やかさである。
先ほど宅配便が来たので、さっそくこれで伝票にサインして、セコくてしょぼい束の間の大統領気分を味わったものであった。